月は綺麗だね
ぼやけた光に、人は夫々の今日を映しだすのかな

優しく包みこまれるような幸福に浸りながら
ベッドに身を滑らす人もいれば
冷たい灯りに体の芯までも凍りつく気持に
涙して膝を抱え夜を過ごす人も

でもね、月に言わせてみると
きっと地球は、嫉妬してしまうほど
美しくて麗しい星だろう
水、緑、空気、そして生き物の全て

僕らが生まれるずっとずっと前から
美を織り成す人の歴史が
途絶えることを知らないのは
生そのものに完全な美しさが息づいているからだと
僕は思う
美しい星のワンピースの運命

欲しくて、どうしても手にできないと嘆くものを
他のだれかが簡単に手にしたとしても
それが君の輝きを消す理由にはならない
逆に簡単に手に入れたとしても
生という美の完全さを越えることなんてできない
眩ゆさに違いがあるとすれば
それに気づいているかいないかだけなのかもしれない

目に写るものはわかりやすい
でもそれ以上の価値を見出せるものは
そう多くはないだろう

求める人生が遠くに逃げてしまいそうで
あきらめそうになった時は
今日の君の中にも
この星の全ての人が、息を呑むダイヤモンド
それ以上の輝きがあったと知って

大丈夫

自分を愛せるなら
君の未来は 大丈夫